ひびの写真

よく外壁塗装工事で耳にする【ひび】のこと

建築士の私(こじ)が解説いたします。業者に雨漏りするから早く塗装を勧められたりすると思いますが、本当に塗装をしなければ雨漏りしてしまうのでしょうか?

ひびの呼び方

ひび = クラック です。

難しい呼び方をするとクラックです。外壁の亀裂やひび割れをあらわします。主にモルタル住宅に多く見られる現象です。

ひびの種類

微細なものをヘアークラック

ヘアークラックとは、クラックが大きなひび割れだとするとかなり微細なクラック(1~3mm程度)の事を指します。髪の毛の様な細い亀裂の事を『ヘアークラック』と呼んでいます。

ヘアークラック

このくらいだとヘアークラック

なぜひびは出来るの?その原因とは・・・

クラックには多くの原因が考えられますが何故発生してしまうのでしょうか?
以下のような原因が考えられます。

  • モルタルが乾燥して収縮が起きる事によってモルタルの変形
  • サイディング壁の塗膜が劣化することによる吸水からの変形
  • 地震による建物の揺れ、トラックなどによる建物の振動
  • 気象の寒暖
  • 柱などの木材の歪み

などが挙げられます。

本当にひびやヘアークラックから雨漏りするか?

まずヘアークラックは、塗膜の経年劣化などが主な要因です。

塗膜の割れ

実際に上記のような、ヘアークラックから雨漏りが発生するかと聞かれれば答えは限りなく『NO』に近いと言えます。塗膜表面の割れが多いので中々外壁から室内には浸入しにくいものと思います。

 

このような大きなひび割れ(クラック)は注意が必要です。

チェック項目

ひびの深さ10mm以上は要注意
ひびの箇所特にサッシ4角を目視でチェック
外壁の状態吸水していると注意

深さのチェック方法

簡単にチェックするには、縫い針や針金のような細い棒をヒビに入れてチェックする方法があります。

塗膜の割れや表層の割れは、ほぼ針が入っていかないのに対し、深部までの割れは奥まで入っていきます。

10mm以上入っていく場合は要注意です。

外壁の吸水状態のチェック方法

「外壁に水をかけてください」色が変われば塗膜が劣化して吸水が始まっている状態です。

 

簡単には雨漏りしにくい仕組み、外壁構造

住宅の外壁構造的にも、雨漏りしにくい仕組みがあります。

下地板 → ラス紙(防水紙)→ ラス(金網)→ モルタル外壁

間柱 → 防水シート → 通気層 → サイディング外壁

上記のようになっていて仮に水が浸入しても防水紙で水分をストップして木部や室内には簡単には浸入しません。

綺麗なヒビの補修方法

よくミミズ腫れのような補修跡を見かけませんか?

もちろん大きなヒビの場合はしかたない場合もあるのですが、綺麗な補修方法は下記をご覧ください。

外壁のひびをシリコンコーキングで補修

ひびは放っておいていいの?

結論から言うと見た目にもあまり良いとは思いませんし、塗膜の経年劣化が主な原因のケースが多くあるので再塗装をする事をおススメいたします。

但し、ヘアークラックなどは、すぐに雨漏りにつながるケースは少ないので訪問販売による指摘で騙されてしまい高額な請求をされてしまう前に適切な対応と知識を持った業者に頼みましょう。

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